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               ( 建築基準法に物申す(6)-容積緩和② )
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    建築基準法に物申す(6)-容積緩和②  建築関連での独り言 / 建築基準法に物申す
    1210-2016

    「建築基準法に不満あり」と、実務を経験したことのある人は多かれ少なかれ誰しも感じていることでしょう。
    という事で、今回は「容積緩和」その②について。

    前回は場当たり的な法改正がいかにも建築基準法らしいという事を書きました。
    続いては国交省と特定行政庁のバトルです。


    バトルの原因は1994年に改正された地下緩和です。

    以下、引用
    第五十二条  建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(以下「容積率」という。)は、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める数値以下でなければならない。ただし、……

    中略

    3  第一項(ただし書を除く。)、前項、第七項、第十二項及び第十四項、第五十七条の二第三項第二号、第五十七条の三第二項、第五十九条第一項及び第三項、第五十九条の二第一項、第六十条第一項、第六十条の二第一項及び第四項、第六十八条の三第一項、第六十八条の四、第六十八条の五(第二号イを除く。第六項において同じ。)、第六十八条の五の二(第二号イを除く。第六項において同じ。)、第六十八条の五の三第一項(第一号ロを除く。第六項において同じ。)、第六十八条の五の四(ただし書及び第一号ロを除く。)、第六十八条の五の五第一項第一号ロ、第六十八条の八、第六十八条の九第一項、第八十六条第三項及び第四項、第八十六条の二第二項及び第三項、第八十六条の五第三項並びに第八十六条の六第一項に規定する建築物の容積率(第五十九条第一項、第六十条の二第一項及び第六十八条の九第一項に規定するものについては、建築物の容積率の最高限度に係る場合に限る。第六項において同じ。)の算定の基礎となる延べ面積には、建築物の地階でその天井が地盤面からの高さ一メートル以下にあるものの住宅又は老人ホーム、福祉ホームその他これらに類するもの(以下この項において「老人ホーム等」という。)の用途に供する部分(第六項の政令で定める昇降機の昇降路の部分又は共同住宅の共用の廊下若しくは階段の用に供する部分を除く。以下この項において同じ。)の床面積(当該床面積が当該建築物の住宅及び老人ホーム等の用途に供する部分の床面積の合計の三分の一を超える場合においては、当該建築物の住宅及び老人ホーム等の用途に供する部分の床面積の合計の三分の一)は、算入しないものとする。


    なんとも酷い条文ですね。読むのがイヤになっちゃいます。
    付け足し付け足しの連続の法令なのでこんな文章になってしまうのでしょうね。
    肝心な部分だけ抜粋&要約します。

    建築物の地階にあるものの住宅の用途に供する部分は、床面積の三分の一まで算入しないものとする。(当初は老人ホームは適用外だった)
    となります。

    1/3ってすごく大きいですよね。大盤振る舞いです。
    おそらく国交省としては、2階建の住宅に地下1階分だけボーナスとして差し上げよう、どうせ地下なんだから外部からは見えないし……、的な考えだったのでしょうね。
    住宅を戸建て限定にしなかったのは国交省のミスだったのか意図的だったのかは判りませんが、少なくとも絶対高さ10mの第1種低層住居専用地域に地上3階地下6階のマンションが建つなんて想像もしていなかったことでしょう。

    いわゆる地下室マンションです。
    「地下室マンション」でぐぐると近隣住民との紛争事例が多く現れ、そのほとんどが近隣住民サイド寄りの内容で、地下緩和を改悪扱いしている記事も散見されます。
    景気刺激策からの容積緩和が改悪なのかの判断は法の専門家にお任せするとして、ここでは建築設計者の立場から私見を述べたいと思います。

    法律にも違反していないしやましいことは何もない、とする建築主側と近隣住民との紛争事例が現在も進行中なので、地下室マンションの是非はここではコメントしませんが、慌てたのは自治体側です。
    神奈川県、東京都、大阪府、兵庫県などで紛争が相次ぎました。
    横浜市は国土交通省に対して「地階の容積率参入の除外」の見直しの要望書を提出したが受け入れられなかった。
    ならば、という事で横浜市は条例で地下室マンションを規制することにしたわけですが、われわれ設計者から見れば両方とも〝お上〟です。決められたことに対して、特に建築基準法は自身で認めるように〝最低限の基準〟なのですから、その範囲内で知恵を絞るのが設計者の立場です。
    国が大局的な見地で推進する事案に対して地方自治体が真逆な態度をとるという事は、国民に不利益を与えかねません。

    今では多くの自治体が条例化していますが、一番身近な自治体なので横浜市の例を取り上げます。
    「横浜市斜面地における地下室建築物の建築及び開発の制限等に関する条例」
    なんとも長ったらしい条例名ですが、国の規制緩和に対して、逆に強化する内容になっています。
    概要だけを述べると、地下室を有する建築物は高さを制限し、階数を制限し、緑化も強化する、という内容です。(「地下室」は住居部分だけではなく、付随する駐車場や機械室も含まれるのがポイントです)
    特に緑化の義務は境界線から4m以上のグリーンベルトを設けて近隣住民への圧迫感を緩和しろという厳しい内容で、事実上地下室マンションの建設を断念させる為の条例です。

    平坦な土地では普通に行われる事ですが、消火ポンプ等の設備や水道水の送水ポンプ、変電設備等を収納する部屋は窓等は必要では無く、必然的に地下に配置することが多々あります。
    しかし、たまたま敷地内に3mを超える地盤の高低差があるとそれらは地下に設けられなくなります。
    建設を断念させる条例に引っかかるからです。
    地下に居室を設けているわけでもなく、面積を増やしているわけでもないのに、付帯設備がたまたま地下にあるだけでこの条例に当てはめて規制するというのは過大解釈、逆差別以外の何物でもありません。
    100戸を超えるような大規模マンションの敷地は面積も広く、3m程度の高低差があるのは山坂の多い横浜ではよくあることです。地下階を一切認めない(地下階があると過剰な義務が生ずる為に地下階に出来ない)というのは近隣との紛争予防というよりは、面倒なことに巻き込まれたくないという役所の事なかれ主義以外何ものでもないでしょう。

    もう一つ困った問題があります。
    各自治体が条例を制定する前に建てられたマンションはすべて既存不適格になってしまっているという事です。
    違反建築物ではないので居住し続けるのには問題はありません。
    しかし、建て替えでは同じ規模の建築物は建てられません。
    建て替えまでには恐らく50年以上の時間的余裕があるのですぐには問題にならないでしょうが、いづれは発生する問題です。
    そういった事情から、マンションの資産価値も下がるかもしれません。買い替えにも影響するでしょうね。
    これまでの地下室マンションに係る紛争は、開発業者と近隣住民との間での争いでしたが、これからはマンションの購入者(居住者)と開発業者、もしかすると条例を制定して既存不適格建築物を作ってしまった自治体をも含んだ争いになるかもしれませんね。


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